近年、遺品整理士の需要が高くなっていると言われています。
遺品整理士という言葉は、テレビや書籍などで、見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。

遺品整理士とは、民間資格で、遺品整理に関する十分な知識を身に付けた人たちのことです。

遺品整理士の資格を得るにはどうすればよいのでしょうか。

遺品整理士資格の取得方法、メリットなどについて、この記事で詳しく解説します。

遺品整理士に興味のある人や資格習得をめざす人は、ぜひご参考にしてください。

遺品整理士になるにはどうすればいい?資格の取得方法、メリットなどを解説

遺品整理士とは

遺品整理士とはどのような業務を行う人なのでしょうか。

故人の遺品を、遺族に代わって整理したり処分したりする人のことを遺品整理士と言います。
部屋の清掃をしたり、不用品の仕分けをしたり、解体したりします。

従来は、一般の清掃業者などが遺品整理を行っていましたが、最近は遺品整理士が注目されるようになってきました。

一般の清掃業者による高額請求などの悪徳商法が横行し、トラブルが絶えませんでした。
そのため、正しい知識を持ち、適正に処理をしてくれる遺品整理士が注目されるようになったのです。

遺品整理は、必ずしも資格を所有していなくても行うことができます。
しかし、専門的知識を持つ遺品整理士の方が遺族の信頼が厚く、遺族側の気持ちを考慮したていねいな作業を行うことが可能です。

また、遺品整理士は「遺品整理士認定協会」が主催する民間の資格です。
この資格を持つ人は、遺品整理に関する十分な知識があることが証明されます。

その結果、遺品整理業に関する正しい処理を行うことができますし、遺品整理業に関する正しい認識を広めることが可能です。

合格率は65%程度であり、決して難関な試験ではありませんが、容易に合格できる試験でもありません。

遺品整理士の業務内容

故人の持ち物を整理して、不要な物を処分することが遺品整理士の主な業務です。

遺品の規模は大小さまざまです。

故人の部屋や家屋のクリーニングが必要な場合もありますし、遺品の供養や家屋の解体が必要な場合もあるでしょう。

不用品であっても遺族の気持ちを尊重して丁寧に扱うことが求められる点が、単なる清掃業者と遺品整理士との大きな違いです。

遺品整理士の資格を得るには

遺品整理士の資格を得るためにはどうすればよいのでしょうか。
資格を取得するまでの流れをご説明します。

1.インターネットもしくは電話で、養成講座の申し込みをします。

2.受講を開始します。
教本・DVD・資料集・問題集といった教材が到着しますので、受講し、理解を深めます。

3.問題集に沿って、課題レポートを作成し、インターネットや郵送で提出します。
なお、提出期間は2カ月間ですが、更新もできます。

4.合格・不合格の通知が約2カ月後に送付されますので、合格の場合は認定手続きが必要です。

5.認定証書と資料が郵送されます。
会費7,000円および、入学金25,000円が必要です。
入学金を払えば、遺品整理士養成講座を受講できます。

遺品整理士は2年間が資格の有効期間で、2年ごとに更新手続きが必要です。

遺品整理士のメリット

遺品整理士の資格を持つことにはメリットがあります。
ここで、遺品整理士のメリットを整理してみましょう。

1.安心してまかせられる

遺品整理士の資格があれば、不法な料金を請求するような悪徳業者に引っかかる心配がありません。
遺品整理は、ほとんどの人が初めての経験なので、どの業者に依頼すればよいのかわからないという人が多いでしょう。

遺品整理士の資格があれば、まず間違いはないでしょう。

2.品質のよいサービスを受けられる

遺品整理士は正しい知識を身につけた専門家ですので、品質のよいサービスを受けることができます。

遺品整理士は遺族の気持ちに寄り沿って、ていねいに処理を行うことが可能です。

遺品整理業務に必要な許可証

遺品整理業を行うには、いくつかの許可証が必要です。

遺品整理業者の場合、以下の許可を得ずに業務を行うと違法行為とされてしまいます。

1.一般廃棄物収集運搬許可証

家庭ごみを収集したり運んだりするために必要な許可証です。

2.産業廃棄物収集運搬許可証

金属やゴムくずなどの産業廃棄物を収集したり運んだりするために必要です。

一般廃棄物収集運搬許可証は対象が家庭ごみですが、こちらは対象が産業廃棄物です。

3.古物商許可証

骨董品やブランド品、有価証券といった遺品を有料で買い取るために必要です。

遺品の売却ができれば、遺品整理のための費用から相殺できます。
特に遺品が大量の場合は、古物商許可証を持つ業者がおすすめです。

まとめ

遺品整理士の概要や、資格習得方法、メリットなどについて解説してきました。

少子高齢化の影響で、遺品整理士の需要はますます高まっていくことでしょう。

遺品整理士をめざす人は、ぜひご参考にしてください

また、遺品整理を依頼する機会がある人は、その知識がないと、悪徳業者に引っかかってしまう可能性もあります。

遺品整理に関する知識を深めることは、遺品整理士を目指す人にとっても、遺品整理を依頼する人にも大切なことです。